11/07(日)
【公演特集記事】 横山幸雄、プレイエルによるショパン全曲演奏について語る
今年オープンしたばかりの上野学園 石橋メモリアルホールで、
ショパンの命日である10月17日から新たなシリーズが始まりました。
このシリーズでは、遺作を含む、楽譜の存在する全てのショパンのピアノ独奏曲を、
ショパンが生涯愛した名器、プレイエル(1910年製)で演奏いたします。
経験とインスピレーション、聴衆との一体感、ホールの響き等、
様々な要素の積み重ねで得られる1回きりの演奏会の感動...。
作曲家の想像以上に作品の魅力を引き出すことが究極の理想です。
デビューしたころは「ショパンの作品を弾いている」という感覚がありましたが、
今では自分自身で書いた作品以上に、完全にショパンの全作品が
自分の体にしみこんでいる気がしています。
今年は僕もショパンが亡くなった年齢になりました。
その時期に、1年を通してショパンの全作品を見渡すことは、
よりショパンを知ることのできる非常に幸せな体験です。
聴衆の皆さまとこの旅を共有できることを心から楽しみにしています。
横山幸雄
2010年10月
横山幸雄プレイエルによるショパン ピアノ独奏曲全曲演奏第1回より[2010年10月17日、写真:青栁聡]
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