上野学園 石橋メモリアルホール ここに再び 楽興の時が刻まれる
ホール通信 ステージドア

03/29(月)
速報!ホールの音開き

夢にまで見た日。それは2月23日。「上野学園 石橋メモリアルホール」に初めてピアノの音が響きわたりました。

横山幸雄教授の指から、バッハの<主よ、人の望みの喜びよ>がすべるように流れ始めた時に、驚きと喜びに満たされたのは、私だけではなかったはずです。何と深く優しい音たち。

旧ホールは残響が心地よく、響きの美しさに定評がありましたが、新ホールも確かに同じ響きの系脈にあります。しかもその響きの粒立ちの良さが、前にもまして際立っているのです。響きに芯があって、それが心地よく耳に吸い込まれてくる。あるいは、音たちが真綿のように全身を包み込み、あの「永遠の時間」(サルトルの言葉を出すと年がバレますが)の訪れたような幸せに満たされる、といったらいいでしょうか......。

80席ほどで満杯になるエオリアンホールの音開きも、この日に先駆け2月5日にありました。曽根麻矢子教授のチェンバロでバッハの<ゴールドベルク変奏曲>のテーマと変奏のいくつか。これこそ極上の、サロンの響き。音と私が一つに自然に溶けてしまう感じ。何だかオウムみたいですが、こちらも旧ホールにも増して豊穣な響きです......。

しかし、「百文は一聴にしかず」(誤植ではありません)。これらの稀有な響きは、ホールに身を置いて感じるしかないでしょう。ホールの開館は5月8日(土)。そして、記念コンサート・シリーズが1年にわたって目白押しとなります。ぜひとも私たちのホールに足をお運び下さいますように。

上野学園 石橋メモリアルホール 館長 船山信子 (平成22年2月24日)

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